kotoba-asobi

 

君のステップが退屈すぎて見てられなかった。
けれど、
右を向いても退屈。
左を向いても退屈。
正面は君だし。
きっと、後ろを向いても期待できない。
「ここは退屈のオンパレードか」と呟いて僕はトイレに行く振りをしたわけだ。
歩いてたらホールにあった鏡が目に入る。
そこに映った僕の顔は、それはもう退屈の権化みたいな顔をしていた。
すると聞こえたのだ。
どこからともなく。
『若者よ、大志を抱くな、白い歯を見せよ』
僕はニッと歯を見せた。
我ながら良い笑顔だったけれど、蔓延る退屈に水を差せる程のものではなかった。


test003

君のステップ
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