基本的にヒーローは暇である8

「基本的にヒーローは暇である」

8ヒマ

そろそろ搭乗の時刻だ。
みんなが搭乗口へ動こうとした。
でも、その前に動いたのは赤色レッドだった。
赤色レッドは、おやっさん局長を含めたみんなに、一人ずつ耳打ちをしていった。
通信器機は敵にジャックされている可能性がある。
やたらと使えない。
そして赤色レッドの指示通り、みんなは動いた。

敵も動いた。
ヒーロー共は、どうやらHawaiiに行くらしいということが分かった。
偉い敵が「そうねぇ、とりあえず見張りでも付けておく？」と言った。
下っ端が行かされることになった。
これは異例だった。
なぜなら、もしもの事があった時にヒーローと戦闘できるようにそこそこ強い敵が行くべきだからだ。
「マジかよぉ。やられちゃったらどうしよっかなぁ・・・」
下っ端は不安そうだった。
不安なまま旅の支度をした。
不安なまま基地を出た。
不安なまま空港に着いた。
そして、不安なまま飛行機を乗り間違えた。

「基本的にヒーローは暇である」
ｰ8ヒマｰ 2013.1.14