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――――あるところにユキオという男がいました。

ユキオは、四年制大学を卒業したというのに、就職もせずに山に柴刈りに行ってばかりでした。
しかしながら、今の時代、いくら柴を刈ったところで生活の足しにはなりません。
ただの趣味なんです。
家でアニメを見ているのと微塵の違いも無いのです。
そんなユキオにも彼女がおりまして、その名をオユキと言いました。

 

オユキは、正直、可愛いです。
そして綺麗です。
綺麗可愛いです。
スタイルも良いです。
お金も持っています。
最強です。
なぜ、無意味な芝刈りをしてばかりいるユキオにオユキのような上玉な彼女がいるのか、不思議に思うかもしれません。
その答えはとてもシンプルでした。
ユキオは優しいのです。

 

どのくらい優しいかと申しますと、デートの時、オユキのカバンを持ってあげるくらい優しいです。
オユキは、手ぶらで大好きな買い物を楽しむことができます。
オユキは金持ちなので、デートの時はいつも財布に50万円くらい入れていて、欲しいものをバンバン買います。
もたろん、ユキオにもランパチパックとかを買ってあげます。
ユキオはそれで食いつないでいます。
良かったね、ユキオ。

 

さて、今日もユキオとオユキはデートです。
オユキは抜群のスタイルを誇示する格好でした。
しかしそれは、下品なものでは無くて、逆に男たちの興味を引きます。
ちなみに、ユキオはそれに興味がありません。
なんなら、柴刈に行きたいと思っています。
でも、今日はいつもと違うのです。
とても珍しく、ユキオが行き先を提案したのです。
いつもはオユキが行きたいところに行き、買いたい物を買い、食べたい物を食べ、帰りたい時に帰ります。
それがどうでしょう。
デートの前日にユキオが行き先を提案してきたのです。
それは、ユキオとオユキが住んでいる街から少し離れた街です。
面倒なので横浜だと思ってもらったら良いです。
オユキもそこに行くのは嫌いじゃ無いので、快く承諾しました。

 

そして、二人は目的地へ。

 

お昼前にそこに着いたのですが、早速、ユキオはオユキの荷物を持っています。
手ぶらのオユキは颯爽と港町を歩いています。
まずは、少し早めのお昼ご飯を食べてから、ショッピング街に向かいました。
オユキが最初に目をつけたのは、靴屋さんでした。
可愛い靴がたくさんあります。
二人はお店に入りました。
オユキは色々な靴を見ました。
そして、可愛らしいパンプスを見つけると、それを指差し「これなんかどうかな?」とユキオに聞きました。
しかし、隣にいるはずのユキオはいませんでした。
あれ?と思い、オユキは店内を見回します。
大きいお店では無いので、すぐにユキオが居ないことに気付きます。
キョロキョロするオユキに気付いた店員が、「お連れ様なら、先ほど出て行かれましたけど?」と言いました。
オユキは「え?」と驚いて、お店を出ます。
もしかしたら、外で待っているかもしれませんから。
しかし、店の外にもユキオはいませんでした。
少し離れた場所まで見回しましたが、やはり、いません。
オユキはケータイでユキオを呼び出す事にしました。

 

!!!!!

 

そうです。
ケータイはユキオが持っているカバンの中にあります。
というか、ケータイだけじゃ無くて、財布も家の鍵もスイカも全部ユキオが持っているカバンの中です。
オユキは、手ぶらなのですから。
困ったオユキは、しばらく街を歩いてユキオを探しましたが、その姿を見つけることはできませんでした。
でも、このままじゃ、帰ることもできません。
とりあえず、オユキは交番に行きました。
事情を説明すると、痴話喧嘩としか扱ってもらえず、いくら否定しても、信じてもらえません。
「とりあえず、電話使って良いから彼氏に電話でもしたら」という警官の提案がありましたが、ケータイに頼りっきりのオユキはユキオの番号を覚えていません。
仕方が無いので、唯一覚えていた実家に掛けました。
でも、外出中なのか、繋がりませんでした。
オユキは途方にくれるしかありませんでした。

 

その頃、ユキオはというと埠頭にいました。
そして、オユキのカバンから取り出した現金以外を全て海に捨てました。
自分のケータイも捨てました。
今回のデートは少し遠めの目的地だったので、現金は70万円くらい手に入りました。
ユキオの思惑通りです。
ユキオは、そのまま電車に乗って行きつけの山へ向かいました。
途中で、いつも降りない駅に降りて、コンビニのランチパックを買い占めました。
あと、コーヒー牛乳も買いました。
いつもの山に着くと、ユキオは思う存分、柴刈に励んでとても幸せな気持ちになりましたとさ。
めでたし、めでたし。


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はい。
では、この昔話が、伝えたいことが分かる人はいますかー。

 

 

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はい!分かります!

 

 

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じゃあ、シゲオくん!

 

 

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ニートでも上玉のお姉ちゃんをゲットできるということです!

 

 

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違います。
五万光年分くらい違います。
帰れカス。

 

 

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はい!

 

 

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はい、じゃあ、オシゲちゃん。

 

 

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えーとぉ、彼氏を信用し過ぎると、猿も木から落ちるよということです!

 

 

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…ファイナルアンサー?

 

 

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…ファ、ファイナルアンサー!

 

 

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正解!
彼氏に鞄を持たせるということは、街で遭難する危険性があることを言いたい昔話ですね。

 

 

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ランチパック!

 

 

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シゲオくん、うるさいから黙ろうね。
というわけで、来週の横浜遠足は、途方に暮れたオユキの気持ちになって街を歩いてみて下さいね。

 

 

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はーい!

 

 

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オユキと柴刈り男