「テディ・ベア」
テディ・ベアを両手で抱えて
オレンジ味のキャンディ舐めてる
ママは朝から泣いているし
パパはずっと女の家さ
だけど今日は天気が良いから
水筒持ってお散歩に行こう
○
小さいタンポポ 見つけた彼女は
ママとパパに言えないから
ぎゅっと抱いてるクマのテディに
小さい声でそっと伝える
「タンポポみたいに可愛くなりたかったな」
○
泣きたいくらい切ないのは
彼女の笑顔見てるテディさ
泣きたいくらい切ないのは
彼女の腕の中のテディさ
○
キャンディショップのおじいさんが
あるとき彼女に聞いたのさ
「どうしていつもオレンジ味なの?」
少し笑って彼女は答えた
「パパがいつも選んでいた味だったの」
○
泣きたいくらい切ないのは
彼女の笑顔見てるテディさ
泣きたいくらい切ないのは
彼女の腕の中のテディさ
———
ある夜 優しいクマのテディは
彼女のために少年になった
———
そんな おとぎ話みたいな
夢ものがたり 起こらないから
クマのテディを抱えたまま
彼女は今日も一人ぼっちさ
○
ママは朝から泣いているし
パパはずっと女の家さ
彼女は多分知らないけど
テディ・ベアは その女の物さ
雪が降った誕生日に
パパがくれたテディ・ベアは
その女が笑顔で 「これをあげて」と
彼女のパパに渡したのさ
○
彼女は今日もテディを抱いて
オレンジ味のキャンディを舐める
kotoba-asobi
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テディ・ベア