「で、どうする?」的なニュアンスで終わる短いものがたり

 

「ライス一杯。」
「以上ですか?」
「以上です。」
ラーメン屋にて、ライスを一杯だけ注文し、餃子用の酢・醤油・ラー油をひとしきり掛けて食べる。
という行為に快感を覚えたのは、一体いつからだろうか。
周りの人からは白い目で見られ、俺の脇は嫌な汗をかく。
最高の気分だ。
やはり、スリルがなければ、人として生きる価値はない。

ライスを食べ終わると、お会計をして店を出る。
レジの可愛らしい女の子は、好奇の目で僕のことを見ていた。
それが堪らないのだ。
俺は、一種の変態であること自負している。

 

店を出て、夜の緩い風を感じながら、歩く。
いい気分だ。
そこで、ケータイが鳴った。
画面を見ると「腐れ縁1号」と表示されている。
あいつか。
「もしもし、こちら、腐れ縁2号。どーした?」
お決まりのセリフで電話に出る。
「どーしたもこーしたもない、女と飲んでいたが、トイレに行った隙に、置いていかれてしまった。唯一無二の腐れ縁として愚痴を聞いてくれ。」
お安いご用だと返事をして、待ち合わせ場所に向かった。

腐れ縁3号が営む、いつものバーに来た。
1号の愚痴は、非常に詰まらないものであった。
まるで刺激がない。
寝ることなどを目的にしていれば、女も逃げるに決まっている。
しかも、誘い文句が「生クリームをご馳走する」なんて、冗談にも程がある。
「しかし、お前も冗談みたいな生き方をしているじゃないか。」と言われる。
確かに、そうかもしれない。
俺はさっきから氷しか頼んでいない。
いくら、知り合いのバーだからといっても、これは酷い。
だが、普通に酒なんか注文してられない。
こっちは、アルコールとは別の刺激が欲しいのだから仕方ない。
「もういいや。お前に話した俺が馬鹿だった。ところで3号、今日はあの娘は居ないのか?」
1号が尋ねた「あの娘」とは、ここの看板娘のことだ。
若くて、可愛い。
「あぁ、今日は休みなんだよ。なんか、知り合いの家でパーティーがあるとか言ってたよ。結構大人数でやるみたい。」
大人数のパーティーだと?
想像するだけで俺の血が騒いだ。

つまり、神様は、なんて物分かりの良いヤツなんだろうか。
ごく稀ではあるが、とても刺激的なことを、人生に組み込んでくれるのだ。

 

 

「で、どうする?」的なニュアンスで終わる短いものがたり
2012.7.12


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