「で、どうする?」的なニュアンスで終わる短いものがたり

 

3ー2

「吸い殻がMt.Fuji並みになったら出発するぞ。」
自称変態の腐れ縁2号は、面倒くさい事を言い出す。
彼の前に置かれている灰皿には、すでに、かなりの吸い殻が積み上げてあるが「パーティーは、少し遅れたくらいが楽しい。」などと言うので、俺たちはまだ腐れ縁3号の営むバーに居た。

3号曰く、そのパーティーは結構大きい規模らしく、ドレスコードまであるというのだ。
「おいおい、そんな格好、今から用意できないよ。」
俺は少なくともスーツだが、2号は限りなく部屋着に近い格好だ。
行くのを諦めていると、「大丈夫、確か、店の倉庫に良いのがあるから。ちょっと探してくる。」
3号は他の従業員に「ちょっと頼む」と言って、従業員専用の扉の中へ消えていった。
横では、「おい、もっと氷を持ってこい!タイタニックを沈めるくらいのヤツな!」と変態が叫んでる。
疲れたな。
もう何でも良いから、テンションを上げたいものである。
そのパーティーとやらには、可愛い女の子がいるだろうか。
今日、振られたフラストレーションをどうにか発散したい。
というか、なぜ、振られたのか。
最後の、あの上目遣いは一体なんだったんだ。
まさか、恥ずかしくなって帰ったのか。
まるで納得がいくぞ。
なんだか、酔いも醒めてきた。
パーティーを楽しんでやろうじゃないか。
俄然テンションが上がってきた。
その時、倉庫から3号が戻ってきた。

神様は、まだまだ遊び足りないらしい。

「このあいだ、バイトの誕生パーティーをやってやったんだけど、そん時に使ったやつ。流行ってるしさ、良いだろ?」
3号は衣装片手にそう言うが、なんでこれがドレスコードなのかさっぱり分からない。

さっき上がったばかりの俺のテンションは俄然下がった。
代わりに、隣の変態のテンションはうなぎ登り真っ只中のようだ。
「これ着んの!?楽しそうだ!!」と叫んでいた。

 

 

「で、どうする?」的なニュアンスで終わる短いものがたり
2012.7.15


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