『ゆめこに捧げるラブソング』

 

Song No.4

ときた君は、ゆめこが他の男の子と話しているのを見るとヤキモチを妬きます。
本当はヤキモチなんか妬きたくないのに、どうしてだかそういう気持ちになってしまいます。
そして、そのあとは少し、ゆめこに冷たくしてしまいます。
ときた君は、そんな自分が嫌で反省をします。
ひとしきり反省したあと、ときた君は背中に背負っているギターを取り出して、歌います。
ゆめこに向かって歌うのです。

 

今日は、学校が休みなので二人でアイススケートをしています。
少し遠いですが、初の遊園地デートです。
ときた君は、こんなときでもギターを背負っています。
もちろん、スケートをするときもです。
ゆめこは、スケートがあまり得意ではありません。
すいすい滑るときた君に手を伸ばして掴まろうとします。
ときた君はこういうとき、少し意地悪になります。
大好きなゆめこをからかうのは楽しいからです。
「ときちゃん、待ってよ。少し掴まらせて。」
そう言って向かってくるゆめこを見て、ときた君は今すぐにでも抱き締めたくなりましたが、わざと距離を取ります。
するとゆめこは少し笑って「ちょっとぉ」と言います。
そのうちにゆめこは、転んでしまいました。
氷は固いので痛そうです。
痛そうな顔をしているゆめこを起こしながら「やりすぎてしまった」と思いますが素直に謝れませんでした。
「まったく、下手くそだなぁ」と言ってしまいます。
ゆめこは笑っていましたが、ふと見たゆめこの洋服が汚れていました。
「あぁ、なんてことをしてしまったんだ」ときた君は、そんな風にとても後悔して、ひとしきり反省をしました。
そして、ときた君はおもむろに背負っているギターを構えました。
「ゆめこ!!俺、歌うよ!!素直に謝れないけど歌うよ!!」
ときた君は、賑わうスケートリンクのど真ん中で人目も憚らず歌います。
「聴いてください。ゆめこに捧げるラブソング」

 

ー『スケートリンクに負けないくらいの固さを誇る君への気持ちは、スベるばかりだ』ー
詞 消しゴム
曲 消しゴム
(消しゴムはときた君のアーティスト名です。)

スケート靴の先に~♪
付いているギザギザの部分~♪
僕はまだ使ったことはない~♪
でもたとえ~♪
一人きりになっても使う気はない~♪
あれは多分~♪
林檎をすりつぶすためのものだから~♪

スケートリンクの上で~♪
笑った君が転ぶ~♪
僕はギザギザの部分を~♪
使えなかった悔しさでいっぱいさ~♪
だけどドント・マインド!!


僕は君という名のスケートリンクを滑り~♪
たくさん傷を付けた~♪
それでもずっと考えているよ~♪
スケート靴の先にあるギザギザの部分の事~♪

さぁ 一緒に~♪
ギザギザの部分を使おう~♪
それから 林檎をすりつぶそう~♪
僕は最後に言うだろう~♪
「もっと君のギザギザの部分を知りたい」と~♪

※くりかえし

 

ときた君は歌い終えました。
ゆめこは奇跡的に感動しています。
「・・・ときちゃん」
「・・・ゆめこ」
二人は抱き合いました。
氷上のプリンスとプリンセスの誕生です。

クリスマスは、もうすぐそこまできています。

 

 

『ゆめこに捧げるラブソング』
Song No.4   2012.12.22


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ゆめこに捧げるラブソング4