『ゆめこに捧げるラブソング』

 

Song No.1

ときた君は17歳でギター少年です。
常にギターを背負っています。
あまりモテませんが、奇跡的に彼女がいます。
その彼女は奇跡的に美人です。
彼女の名前は「ゆめこ」と言います。
ときた君とゆめこは奇跡的にラブラブでした。
ゆめこはときた君のことをとても好きですが、ときた君はまだ17歳のシャイボーイなのでその愛情を素直に受けとることができません。
本当の気持ちが言えない時があるのです。
「好きだよ」の一言が言えないのです。
そんな時、ときた君はとても反省します。
ひとしきり反省したあと、ときた君は背中に背負っているギターを取り出して、歌います。
ゆめこに向かって歌うのです。

 

今日も、ときた君とゆめこはデートをしていました。
クリスマスムードで満ちたショッピングセンターにいました。
雑貨屋さんに立ち寄っています。
ゆめこは雪をかぶった真っ赤な林檎の置物を手にとって見ていました。
林檎飴みたいにツヤツヤしています。
とても甘そうです。
「これ、可愛いね、ときちゃん。」
ゆめこはときた君の方を向いて言いました。
でもその顔が可愛すぎてときた君は何も言えなくなってしまいます。
「・・・う、うん。」
「えー。あまり可愛くないかなぁ。そうかぁ。」
ゆめこは心なしか悲しそうな顔をします。
それを見たときた君は、世界の終わりを目の当たりにしたような気持ちになりました。
そして、ひとしきり反省しました。
ときた君はおもむろに背負っているギターを構えました。
「ゆめこ!!俺、歌うよ!!素直な気持ち、歌うよ!!!」
ときた君は、クリスマスムードで満ちたショッピングセンターで人目も憚らず歌います。
「聴いてください。ゆめこに捧げるラブソング」

 

ー『林檎飴のような置物のツヤツヤに偶然にも映り込んだ君へ』ー
詞 消しゴム
曲 消しゴム
(消しゴムはときた君のアーティスト名です。)

君が見ている~♪
真っ赤な色した林檎~♪
その中に僕は~♪
かつて住んでいたような気がするよ~♪
まるでトナカイの鼻だね~♪
そうなると君はサンタか~い?♪
もしも君が~♪
高い煙突から~♪
足を滑らせたときは~♪
僕が受け止めるよ♪
ダーイビーングキャッチ~♪


偶然にも そのツヤツヤに~♪
映り込んだ君~♪
食べちゃいたいのは~♪
林檎の方でなく~♪ 君の方だ~♪♪

ナイス・テイスト~♪
僕の舌の上で踊れるのは~♪
世界中で~♪ 君一人だけさ~♪
あぁ~ 真っ赤な~ 林檎の~♪
置物~♪

※くりかえし

 

ときた君は歌い終えました。
ゆめこは奇跡的に感動しています。
「・・・ときちゃん」
「・・・ゆめこ」
二人は抱き合いました。

クリスマスは、もうすぐそこまできています。

 

 

『ゆめこに捧げるラブソング』
Song No. 1    2012.12.19


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