「基本的にヒーローは暇である」

 

2ヒマ

桃色ピンクの心をゲットしたのは、緑色グリーンだった。
普段は子供のようにあどけないのに、地球を守りたいという気持ちは人一倍強い。
そんな緑色グリーンに桃色ピンクはイチコロだった。

 

良い匂いで目覚めた。
緑色グリーンは寝ぼけ眼をこする。
体が少し痛い。
昨日の戦闘のせいだろう。
台所の方で音がする。
桃色ピンクが料理をしているのだろう。
お腹が空いてきた。
布団から出て、居間に向かう。
桃色ピンクが朝食を並べていた。
「おはよ!」
緑色グリーンが声を掛ける。
「おはよ!顔、洗ってきなよ」
桃色ピンクが笑顔で言う。
緑色グリーンは寝癖で跳ねた癖っ毛を触りながら、洗面所に向かった。

「今日はどうする?」
桃色ピンクがパンを噛じった後に言う。
「うーん。川にでも行こうか!」
元気よく緑色グリーンが言う。
それを聞いた桃色ピンクは、「ふふ」と笑ってから「面白そうね」と言った。
「うん、面白そう!」
緑色グリーンも相づちをした。

 

二人は川原にいた。
川を眺めていた。
体を寄せあって無言だった。
「まだ月曜かぁ」
体育座りをしている桃色ピンク不意にが言った。
「そうだね。まだ月曜」
石っころをいじりながら、緑色グリーンが答えた。
「明日は何しようか」
「うーん。山にでも行こうか!」
誰もいない川原に緑色グリーンの声が響いた。
ゆったりした時間だった。
川はゆるやかに流れている。
水の音がよく聞こえる。
少し、寒い。
そこに、何かが流れてきた。
人みたいなシルエット。
二人は凝視した。
だんだん近づいてくる。
「あらら」
緑色グリーンは思わず言った。
流れてきたのは、前日にやっつけた敵だった。
それは、二人の前を通りすぎて流れていった。
「どこに行っちゃうんだろうね」
桃色ピンクがつぶやく。
「追いかけてみようか」
緑色グリーンが子供のように目をキラキラさせた。
そんな目を見てしまった桃色ピンクは「追いかけてみようか!」と笑って立ち上がった。
二人は駆け足で流れていく敵を追いかけた。

 

 

「基本的にヒーローは暇である」
-2ヒマ-  2013.1.8


コスレンジャー 桃

基本的にヒーローは暇である2